2013年05月29日

pro-vision Reading Lesson 10

哲学特有の働き
 哲学の難しさは、人がそれに対して全く反対の態度を取ることだ。
英知の追究あるいはその愛好として尊重する人もいれば、役に立たない探究・怠惰な憶測・単なるその人の意見に過ぎないと、見下す人、蔑む人さえいる。
哲学は人によって捉え方が変わるので、恐らくは仮に私達が提示されたその種の疑問を目にすると、私達は最初に熟考すべき、最も明らかにされなければならないかもしれない点に関しての何らかの導きを得るのかもしれないのである。
私の見るところ、よく考えるべき主眼点は2つある。
1つ目は哲学・科学・宗教を区別、そして関連付けたいとする願望である。
2つ目は、生活に関する哲学を熟慮してそれがどのように役立つのか説明し、そしてそれ以上にそれが役に立つことを証明する必要である。
古代、哲学は科学とみなされていた。
科学である。
科学はまだ哲学と不可分であった。
そして科学としての哲学は宗教と詩歌の両方に対立するものであったが、それらは科学的ではなかった。
現代世界において、全ての専門的な科学が起こり、私達はその実験に基づく科学・自然科学・社会科学を学問としてみなし、詩歌や宗教に加えて哲学をも科学的なものではないと位置づける傾向がある。
今述べているように、問題なのは哲学が科学や宗教に類似しているということである。いかにして私達は哲学とそれら2者を区別したらよいのだろうか。
思うに、この問いに対する答えはある。そしてその答えは明らかに哲学の特有の機能、特有の有用性次第なのだと思っている。
私が大学で学生達に哲学を講義している時期はずっと、哲学の講座が始まるとほぼひっきりなしに何人かの学生がこう言いに来るのであった、「先生、この講義はとにかくとても面白いんですが、教えていただきたいのは『これが何の役に立つことなのか』ということなんです。」
そして私は年を重ねるに連れて、学生の目を真っ直ぐ見据えてその手の質問に対してこう答えるばかりとなってしまった、「いや、何の役にも立たないから。」
学生達が「有用性」ということで何を言わんとしているかが科学の有用性から来ている意味だと分かり、そしてそれは、科学は役に立つという意味でのことなので、哲学は役に立たないのだとなる。
 では、科学の有用性とは何なのか。
科学は私達に自然を超えた力をもたらす。
すべての外的状態、人間生活の外的状況の全てを統御する力をもたらしてくれる。
だが、科学は、私達が持っている力をどのように制御すべきか、機械や技術的応用を伴う科学が私達にもたらす有用性の全てほどのように用いるべきかを私達に示唆してくれるのだろうか。
はっきりとは分からない。
私達は、科学が語られざる原子力をもたらしてくれる世界に住んでいる。
けれども、科学は原子力をどう利用するべきかを、平時にせよ戦時にせよ、人間の破滅の代わりに人間にとって役に立つためにはどう利用するべきかを示してくれるのだろうか。
実際のところ、治療や利益を得るのに役立つ医学、または工学における同様の科学技術もまた、私達を殺しもすれば傷つけもしかねないのである。
 誰かに哲学の特有の機能または有用性を理解させるのはこの事実なのだと私は思う。
科学技術全般にまつわる科学の有用性が自然を超える力を私達にもたらすこと、私達の目的や目標に対する手段をもたらすことであるならば、哲学の有用性は目的に対する手段ではなく指針を与えるものであり、目標や見るべきこと、なすべきことを指し示してくれるものであり、その手段の利用を制御できる基準を与えてくれるものなのである。
まさにこの理由のために、ますます多くの科学とますます多くの科学技術にまつわるその応用がある世界では、哲学と、哲学の利用が適切に重視されることがますます重要となるのである。
英知を伴わない力にとっては、使い方や管理の仕方が分からないままでの手段の保持は、もちろんのこと、極めて危険である。しかし、この点では、これは哲学の用途と科学の用途は区別できる、すなわち、科学は技術の利用であって、哲学は道徳的、または指示的な利用なのであると、極めて適切に言えるのだ。
宗教もまた私達に人生に方向付けをし、生き方を教えてくれるわけだから、どのようにしてこれは哲学と宗教を区別したものだろうか。
 ところで、私がこの疑問について考えているうちに、バーベリーニ枢機卿、この人はガリレオが教会とごたごたを起こしていた時の人なのだが、彼にまつわる話を思い出した。
バーベリーニ枢機卿はガリレオに、「科学と宗教との間にこうした紛争はあるべきではない。科学者であるあなたは天がどうなっていくのかを人々に教えるが、教会は、どうやって天に召されるのかを人に教えるのだから」と言った。
教会は、人々にどうやって天に召されるのかを教える以上のことをしていた、すなわち、教会は神の啓示を通じて、人類に対するお導きを与えていると主張しているのだから、それは完全な答えではない。
そしてそれを越え、宗教の儀式を通じて、教会は人々に神の恩寵をこうむらせることができ、人々の生活の指針において役に立つのである。
ここに宗教と哲学がどう違うかが現れている。
哲学は人々にただ理性だけによるその生活の行いにおける何らかの導きと指針を提供するのだが、その一方で教会は、人々に生活における神のお導きと、その方向に従う際の神の救済を提供するのである。
 さて、私は学んできたことをまとめてみたいと思う。
要点だと私が考えることにあなたの注意をひきつけることで、この最後の質問に立ち返るかもしれない。
私達は、技師が法律家や内科医が取り扱う類の問題を解決することを期待しない。
技師や内科医が直面する類の問題を法律家が解決することも期待しない。
そして私達は、ある種の解決策を、生活上の振る舞いや人ごとの一般的な取扱いにおけるある種の救済を、哲学者に期待する。
私達は科学者には別種の救済を、そして神学者にはさらに別の救済を期待すべきである。
そしてもしもこの科学、哲学、宗教の3つの専門職がそれぞれ別の救済を私達に施すならば、私達が理解すべきことはここにあるのである。
つまりは、それらがそのようにできるという事実は、異なる探究方法や異なる種類の知識に基づくものであろうかということである。
科学、哲学、宗教は3つの異なる類の知識なのだろうか。
そしてもしそうならば、それぞれの基準とは何なのだろうか。
 私達は一つのことが分かる。すなわち、哲学は、調査・研究の利用によって示されないということをだ。宗教のように、信仰を乞うても示されない。
今日、私達は、哲学を人間の基本的な問題についての理性的な対話とみなすことで、少なくとも哲学を理解し始めているのだ。


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posted by sakai shinji at 00:41 | Comment(0) | pro-vision Reading | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月07日

pro-vision Reading Lesson 9

模範的大富豪

人は金持ちでなければ、魅力的であっても何の役にも立ちません。
貧乏な人たちは、平凡で現実的であるべきなのです。
人の興味を引くよりも、決まった収入がある方がいいのです。
これらは、現代生活の偉大な事実ですが、ヒューイ・アースキンはそのことに決して気づきませんでした。
かわいそうなヒューイ。
彼はあまり知的な人間ではありませんでした。
彼は人生において、気の利いた事を言ったことはないし、思いやりのないことを言ったことさえないのです。
そうはいっても、彼は素晴らしくハンサムで、髪は茶色で、目は灰色をしていました。
お金を稼ぐすべを除けば、彼はあらゆる社会で生活するためのすべを持っていました。
彼はいろいろなことを試してみましたが、結局たいしたものにはなれず、綺麗な顔をしているけれど仕事のない、魅力的な若者なのでした。
さらに悪いことには、彼は恋をしていました。
彼が恋をしていた女性は、ローラ・マートンという元陸軍将校の娘でした。
彼らはロンドンで最も美しいカップルで、お互いとても愛しあっていましたが、お金は全然ありませんでした。
彼女の父親は、ヒューイのことをとても気に入っていましたが、彼が1万ポンド手に入れなければ、ローラとの結婚を許してくれないのでした。

ある朝、ヒューイは、彼の有名な友達のアラン・トレバーに会いに来ました。
トレバーは画家、それも本当に優れた画家で、彼の絵はとても人気がありました。
最初彼は、ただ単にヒューイの容貌にとても惹かれていました。
しかし、ヒュー地の事をもっとよく知るようになってからは、容貌とまったく同じくらいに、彼の明るく陽気な気性や、気前がよく屈託のない性格のために、彼のことが好きになり、いつでも好きな時に訪ねてくるようにと言いました。
ヒューイが入って行った時、トレバーが素晴らしい乞食の等身大の絵の最終的な仕上げをしているのが分かりました。
乞食自身は、疲れている年老いた男で、悲しそうな表情をしていました。
肩には、粗末な茶色いコートがかかっていましたが、そのコートは破れていて穴だらけでした。
彼の分厚い長靴は古ぼけていて、片手で粗末な杖に寄りかかり、もう一方の手でお金を恵んでもらうため古ぼけた帽子を差し出していました。
「なんてびっくりするようなモデルなんだろう」ヒューイは、彼の友達と握手をしながら叫びました。
「もちろんだよ。毎日そんな乞食に出会えるわけではないよ。」
「かわいそうなおじいさん。」ヒューイは言いました。
「なんて惨めな様子何だ。 でも、君たち画家にとっては、彼の顔が大事なんだと思うけどね。」
「もちろんだ」トレバーは答えました、「君だって、楽しそうな様子の乞食を見たいとはおもわないだろうね。」

「絵に描かれることでモデルはいくらもらえるんだい?」ヒューイは座りながら訪ねた。
「1時間1シリングだ。」
「それで君はこの絵に対していくらもらうんだい?アラン」
「そうだな、この絵で2kポンドもらうんだ。」「それじゃあモデルも分け前をもらうべきだと思うよ。」とヒューイは笑いながら叫んだ。
「彼は君と同じくらい熱心に仕事をしているだろう?」
「ナンセンスだよ。私が掛けている手間を見てくれ。ヒューイ、君が言うのは簡単だよ。しかし君は言ってはいけない。私は忙しいんだ、静かにしてくれ」しばらくして召し使いが入ってきて、トレバーに客が話をしたいと言っている事を伝えた。
「ヒューイ、逃げるなよ。僕はすぐ戻ってくるから。」と彼は言った。
物乞いは少しの間休憩を取った。彼はとても惨めに見えた。
ヒューイはどれだけお金を持っているかを知るためにポケットの中を探った。
彼は1ポンド札と数ペンスかを見つけただけだった。
「かわいそうな老人だ。私よりも彼の方がこのお金を必要としている。しかし、私も1,2週間はたいしたお金を手に入れる事は無いだろう。」と彼は思った。
そして彼は部屋を横切り、物乞いの手に1ポンドを忍び込ませた。
老人は飛び上がった。
彼の年取った唇にほほえみがよぎった。
「ありがとうございます。」と彼は言った。

それからトレバーが戻って来て、ヒューイは去っていった。
自分がした事に対して少し顔を赤らめながら。
彼は交通機関のためのお金(運賃)を持っていなかったので、歩いて家に帰らねばならなかった。
その夜、彼は11時過ぎにクラブへ行き、トレバーが1人で座っているのを見つけた。
「やあ、アラン。あの絵は無事に描き終えたのかい?」と彼は尋ねた。
「終わったよ君。」とトレバーは答えた。
「ところで、あの老人は君の事をとても気に入ったようだよ。
僕は君の事をすっかり彼に話さなければならなかったんだ。
君が誰であって、どこに住んでいて、収入がいくらぐらいで、どんな望みを持っているかなどを。」
「やれやれアラン。」とヒューイは叫んだ。
「しかし、もちろん冗談を言っているだけだろう。
かわいそうな老人だ。
僕は彼のために何か出来ればいいのだけれど。人があれほど惨めなのは酷い事だと思うよ。
僕の家にはたくさんの古着があるけど、彼はそのどれかを気に入ってくれると思うかい?彼の服はボロボロになりかけていたよ。」
「しかし、あの服を着て彼は素晴らしく見えたよ。」とトレバーは言った。
「僕は彼が良い服を着ているのを買いたいとは決して思わないだろう。
でも、君の申し出を彼に伝えておくよ。」
「アラン、君たち画家は薄情な人間だね。」とヒューイは真剣に言った。

「画家の心は、画家の頭の中にあるんだ。」とトレバーは言った。
「その上、僕たちの仕事は世界を見るがままに描いてみせる事であって、それをより良くする事ではないんだ。
ところで、今ローラがどういう状況か話してくれよ。
あの年老いたモデルは彼女にとても興味を持っていたんだ。」
「まさか彼に彼女の事を話したと言っているんじゃないだろうね?」とヒューイは言った。
「確かに話した。彼は冷たい父親や美しいローラや1万ポンドについて全てを知っているよ。」
「君はあの年老いた物乞いに、僕の個人的な事を話したのかい?」とヒューイは叫んだ。
「まぁまぁ君。」とトレバーは笑いながら言った。
「君が物乞いの老人と呼んでいるあの人は、ヨーロッパで最もお金持ちの1人だ。
彼は明日にでもロンドンの全てを買って、それでもまだ銀行にお金があるだろう。
彼は全ての首都に家を持っている。
金の皿で食事をしている。」「一体全体どういう意味なんだい?」とヒューイは叫んだ。
「言った通りだよ。」とトレバーは言った。
「今日君が私の部屋で会った老人はハウス・バーグ男爵だよ。
彼は僕の大親友で、僕の全ての絵を買ってくれるんだが、1ヶ月前に物乞いとしての彼の絵を描いてくれと頼まれたんだ。
それは何も驚くべき事ではないんだ。こういう金持ち連中はちょっと変わった考えを持っているんだ。そして彼はあの古い服を着て、実に素敵に見えたよ。」

「ハウスバーグ男爵だって!?」とヒューイは叫んだ。
「驚いたよ、僕は彼に1ポンドあげたんだ。」そして彼はショックを受けて椅子に沈み込んだ。
「君ねぇ・・・」とトレバーは笑った。
「君はあの1ポンドを再び見る事はないだろう。
彼の仕事は他人のお金を使ってする仕事だよ。」
「君は僕に話しておくべきだったと思うよ、アラン。」とヒューイは不機嫌になって言った。
「そして、僕にそんバカな事をさせるべきではなかったのに」「でもそもそも(まず第一に)ね、ヒューイ」とトレバーは言った。
「僕は君がそんな不注意に自分の金をあげてしまうとは思わなかったんだ」「彼は僕がなんて愚かだと思っているに違いない。」とヒューイは言った。
「とんでもない、彼は君が去った後、とても上機嫌で1人で笑い続けていたよ。
僕は、なぜ彼が君の全てを知る事にこれほど興味を持っていたが理解出来なかったが、今全て分かったよ。」

「僕は運の悪いヤツだ」とヒューイは言った。
「僕が出来る最善の事は寝る事だ。
ねぇアラン、誰にも言ってはいけないよ。
もし人々が知ったら自分の顔を見せられないよ・・・。」
「ナンセンスだよ。それは君の心の優しさを表しているんだよ、ヒューイ。君はローラについて好きなだけ話して良いんだ。」
しかしヒューイはとても不幸な気分で家に歩いて帰った。
翌朝、召使いが彼に名刺を持ってきた。
その名刺には「ハウス・バーグ男爵にお仕えするグスタブ・ノーディン」と書かれていた。
彼は「昨日の事は申し訳ありません。」と私に言わせたいのだろうとヒューイは心の中で思い、召使いにその訪問者を中へ通すように言った。
金(金縁)のメガネを掛けた白髪で年配の紳士が部屋に入ってきて言った。
「アースキン様にお話をする光栄にあずかれますか?」ヒューイはそのアースキンだと認めた。
「私はハウス・バーグ男爵からの召使いです。」と彼は続けた。
「男爵は・・・」「男爵に、私が本当に申し訳なく思っている事をお伝え頂きたいのですが。」とヒューイは急いで言った。
「男爵は」とその老紳士は微笑みながら言った。
「この手紙をあなたに渡すようにと、彼は私に頼みました。」と彼は封筒を差し出した。

その外側にはこう書かれていた。
「ヒューイ・アースキンへの結婚プレゼント。年老いた物乞いより。」中には1万ポンドの小切手が入っていた。
彼ら(2人)が結婚した時、アラン・トレバーが新郎付添人となり、男爵が結婚披露宴でスピーチをした。
「百万長者のモデルは・・・」とアランは述べた。
「十分に珍しい。しかし、まったく模範的な百万長者はなおかつ珍しい。」
体調管理に 癌も克服 奇跡のハーブ iHerb アイハーブ
posted by sakai shinji at 21:56 | Comment(0) | pro-vision Reading | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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